募集をかけている企業に応募する際、注意なんて必要なのかと思う方は多いでしょうか。
アラフォー世代になってから2度の転職を果たし、約5年間、延べ200社近くに応募した経験を持つ私からは、いくつかお伝えしたいことがあります。
それらは転職の成功確率を上げるためには必要なことです。
知っていると知らないとでは、成功確率に結構差がつくのではないかと思っていますので、是非実践して欲しいと思っています。
最初は応募企業を厳選するな
まず最初にお伝えしたいことであり、この記事の最大のポイントはこれです。「最初は応募企業を厳選するな」
面接慣れは必須
なぜかと言うと、面接慣れをしておくためです。
転職サイトなり、転職エージェントから企業を紹介してもらい、いくつかの企業に応募したとします。
そして無事に書類審査を通過して面接に呼ばれた時に、あなたはその最初の面接で自分を十分にアピールできますか?
残念ながら、私はできませんでした。
元々私は自己アピールが苦手な方でしたが、転職エージェントと面接の練習をして、自分でも想定問答集を準備し、ある程度スラスラ答えられるよう練習したにも関わらず、100%どころか50%くらいしか力を発揮できませんでした。
就職面接は特殊な空間
それは、就職面接という独特な空間に場慣れしていないからです。
思い出してください。あなたが最後に面接を受けたのはいつですか?
社内の昇格試験で面接を受けたことがあるなら近いものがあります。
しかし、社内の顔見知りと行う面接と、初対面の人と人生の転機をかけて行う面接とでは、全く違うものになるのは想像つくのではないでしょうか。
アラフォー世代なら就職面接を受けるのは20年ほどのブランクがあることになるのです。
力を発揮できずに終わってしまう面接が、選びに選び抜いた第一候補の企業相手だったら、そんな悔しいことはないと思いませんか。
活動初期段階では面接の数をこなそう
転職活動初期段階では応募先を厳選せずに、あまり気負わずに受けられる企業で場慣れした方が良いというのが、私の考えです。
もちろん応募する以上、全然行きたくもない企業ではダメです。
全て希望に合致するわけではないが、ある程度合致するくらいで応募しないと企業に対して失礼です。企業はコストや時間をかけて募集活動を行っていますから。
練習の意味でも、私たちに面接合格へのモチベーションがないと意味がありません。
場慣れには数をこなす必要があります。面接が終わったら反省点を列挙して次の機会に生かせるようにPDCAを回しましょう。
業界の違いは気にするな
この項では、応募企業を選ぶ時に一致項目が少ないと躊躇してしまいますが、業界の違いについては気にしなくてよい、ということをお伝えします。
応募先企業が現職の経歴とぴったり合致していれば悩むことはありませんが、だいたいにおいて合致しないものです。
募集職種が一致していても業界が違ったり、業界が一致していても職種が違ったり、さらには入りたい企業ではあるけど業界も職種も一致しない、なんてことも普通にあります。
むしろ、入りたい企業が現職と業界が同じで(つまりライバル企業)募集職種も一致していることの方が珍しいくらい。
転職市場では希望と募集が一致しないのは当たり前なんですね。
業界を超えて通用するスキルが必ずある
とは言え上述しましたが、業界が一致しない場合については特に悩むことはありません。
例えば営業なら営業関連のスキル、事務でも事務関連のスキルは多少業界が異なっても
通用するものがあるでしょう。
もちろん現職の会社でのみ通用するスキルもあるとは思います。しかし、それだけではないですよね。
もしパッと思いつかなくても深掘りすれば必ず見つかります。私たちアラフォー世代はそれなりの経験を積んでいるはずだからです。
私の場合も、2度とも異なる業界への転職です
実際、私の2回の転職も、異なる業界へのものです。
私が所属していた業界は2回とも、少なくとも国内では競合他社が数社程度でしたので、そもそも同一業界企業の募集がなかったのも事実。
それでも異なる業界へ転職できたのは、他業界でも通用するスキルがあったからです。
他業界でも通用するスキルは、深掘りすれば必ずあります。探しましょう。
未経験職種への転職は厳しい
それでは、未経験職種の場合はどうでしょうか。
業界が現職と一致していても、未経験職種への転職はかなり厳しいと言わざるを得ません。
理由は明白で、多くの場合中途採用者に要求するのは即戦力だからです。転職希望者がアラフォー世代なら言うにおよばずですね。
これが第二新卒者や20代後半、ギリギリ頑張って30代前半くらいまでであれば、育成を視野に入れた採用も考慮されるでしょう。
しかし私たちはアラフォー世代、まず無理です。
私もチャレンジしてはみましたが、まず通りません
私も未経験職種の募集に応募したことは何度もありますが、一度も内定をもらったことはありません。
未経験ではあるものの、多少なりとも現職での業務内容とかぶるところのある職種については、何度か面接までたどり着いたことはあります。
しかしそれらも内定までは至りませんでしたし、そもそもかぶるところのない完全な未経験職種については、書類審査すら一度も通過できませんでした。
残念ですが、これが現実です。
資格が有効な場合も
唯一方法があるとすれば、未経験職種に関連した資格を取ることです。
私の友人に、30代前半になってから全く関係のない業界に、完全未経験職種への転職を果たした人がいます。(残念ながらアラフォー世代ではありません)
その友人が転職の際に取った戦略が、関連資格を取ることでした。国家資格ではなく民間資格ですが、有効な手段だったと言えるでしょう。
資格にも様々ありますが、どれも一朝一夕で取れるものではありません。
しかし未経験職種への転職を果たすには、それだけの熱意を示す必要があるということです。
熱意を示せる方向を目指そう
熱意を示すのに有効な手段として、趣味の延長線上の業界・職種を狙う方法があります。
前述の友人が転職したのは旅行業界でしたが、彼の趣味は旅行だったのです。それも、40ヶ国以上の海外渡航経験を持つ強者でした。
だからこそ、関連性のない業界、未経験職種への転職に熱意を持てたし、そのための準備として関連資格を取得することもできたのです。
そういう意味では、私たちアラフォー世代は有利と言えるかもしれません。
20代の頃は自分が何をやりたいかわからなくても、アラフォー世代になれば自分が何に熱意を持てるか、そして何をやりたくないかが明確になっているからです。
リスクは承知の上で、チャレンジしてみるのもひとつの方向性です。ただし、かけた時間や労力が無駄になってしまう可能性は十分あります。
むしろ無駄になってしまう可能性の方が多いのではないかと個人的には思います。
よくよく考えて方向性を決めましょう。
ほぼ書類で落とされる
ここでアラフォー世代に残念なお知らせです。
前の項では前向きなことを書いたりもしましたが、いくら履歴書に資格を記載して自由記入欄で熱い思いを伝えても、職務経歴書で保有スキルをアピールしても、ほぼ書類で落とされます。
もちろん、世の中の経済状況や活動タイミング、募集企業(の採用担当者)との相性、自身の保有スキルの種類やレベル、あるいはひょっとすると現職の会社のネームバリューなどにも左右されるとは思います。
しかし、ほぼ書類で落とされるという覚悟でいるくらいがちょうどいいです。
書類が通るのは10社に1社程度
私の経験では、書類審査を通るのは良くて10社に1社程度。100社に応募しても面接まで行くのは10社くらいということです。
リクナビなどでは、内定獲得までの平均応募数などが目安として書いてあったりします。
しかし、とてもじゃありませんが目安の応募数では内定にたどり着けません。
一体何の数字を根拠にしているのか問い詰めたいところですが、文句を言っても始まりません。
これを読んでいるあなたが、私よりも優秀で、私よりもはるかに書類審査の通過率が高いのであれば何も問題はありません。
でもそうでない可能性を考慮に入れて活動を始めないと、実際に低い通過率を目にした時に心が折れてしまいます。
せっかく覚悟を決めて始めた転職活動を成功させるためにも、書類でほぼ落とされるものだと心に留めておきましょう。
まとめ
以上、企業に応募する時の注意ポイント4選を書きました。
- ・最初は応募企業を厳選するな
→転職活動初期段階では応募先を厳選せずに、あまり
気負わずに受けられる企業で面接慣れしよう - ・業界の違いは気にするな
→業界を超えて通用するスキルを深掘りして見つけよう - ・未経験職種への転職は厳しい
→未経験職種への転職を成功させるには、関連資格の
取得や、趣味の延長線上などの、熱意をかけられる
方向を目指すのはひとつの手段 - ・ほぼ書類で落とされる
→書類が通るのは10社に1社程度と覚悟せよ
ちょっと今回の記事の内容は、厳しめですね。
しかし、楽観的な考えではアラフォー世代の転職は成功しません。
現実は現実として受け止め、どうすれば成功確率を上げられるかを考えていきましょう。